裸足で歩こう★ワヒバ砂漠〜Wahiba Sands〜

 
 私の夢のひとつに、「砂漠に寝転がって満天の星空を見ること」というのがあった。今回その夢を叶えるべく、現地のMark Tourという旅行会社で1泊2日の砂漠ツアーを申し込んだ。ツアーといっても私たち2人とドライバーさんしかいないので、車をチャーターしていると言った方がいいかもしれない。費用は1泊2日3食付で80オマーンリヤル(約24000円)と、決して安くはない?オマーンの物価は、レストランやスーパーでは安いが、ホテルやレンタカーは日本並かそれ以上に高かったりする。

 朝マスカットを出発し、ワディバニハーリッド(前章参照)でランチをとった後、一路ワヒバ砂漠へ。この砂漠は、オマーンの東側沿岸部に位置し、面積は約1万6000平方キロメートルある。岩手県よりちょっと大きいくらいだ。

 車で走っていると、遠くに赤い砂丘が見えてきた。結構いきなり砂漠が始まっている。砂漠とそうでないところの境目がはっきり分かる。砂漠の道に入ると、ドライバーのFさんは一端車を止め、タイヤの空気を抜き出した。柔らかい砂地を走るための知恵だ。

 車を止めていると近くにあったベドウィンのテントから少年達がわらわらと近寄ってきた。車の外から私たちを興味深げに見ている。最初は愛想良くアラビア語で挨拶していたが、少年の1人が運転席に乗り込み、手をにょっとこちらに伸ばして、うちらのことを触ろうとする。「なにー!こんな所でもセクハラが!!!」だんだん調子に乗ってきたので、少年の手をよけながら「車から出て行きなさい!!触るでない!」と怒鳴ったものの効果なし。やがてFさんが戻ってきて少年を車から追い出してくれた(早く助けろよ)。まったく〜今度やられたら手にしっぺしてやる!!

 そして車は砂漠のど真ん中を猛スピードで走り出した。時速90キロくらい出ていた。一応車の通った後があって道のようにはなっているものの、舗装されていない所をこの位のスピードで走ると、揺れる揺れる。アップダウンが激しくて、まるでジェットコースターのようだ。周りは見渡す限りの砂漠だが、たまにベドウィンのテントや、ラクダを連れたベドウィンを見かける。Fさんによると、彼らは町にも家を持っているが、涼しい季節になると、昔ながらのテント生活をするために砂漠に戻ってくるそうだ。

↑これがワヒバ砂漠!結構草木も生えている。

 砂漠の道に入って20分くらい経っただろうか、今夜私たちが泊まる場所、AL RAHA TURISM CAMP に到着した。すぐキャンプに入るのかと思いきや、Fさんは車で目の前にある大きな砂山に登り始めた。かなりの急斜面でしかも砂が柔らかいので、埋もれるか横転するんじゃないかとひやひやする。車が進まなくなると、一端バックして戻り、勢いを付けてまた登り直す。とても素人には運転出来なそうだ。丘の上に着くと、もうすぐ日没なので夕日を見ましょうということらしい。


↑これがAL RAHA TURISM CAMP。小屋がたくさんある。


↑キャンプの中はこんな感じ。


 車を降りてみると、砂がとてもなめらかで柔らかいのが分かる。赤味がかっていて、粒子が細かくさらさらだ。さらに裸足になると足が少し埋まって気持ちいい。私たちはカメラとビデオを撮ったり転がったりして大はしゃぎ!その間にFさんはペットボトルにお土産用の砂を詰めておいてくれた。


↑砂丘に登る相方カナ。

↑砂漠堪能中の人。

 日没を待っていると、私たちのと同じような車が1台近づいてきた。車から出てきたのは陽気なイタリア人グループとガイドのドイツ人だった。どうやら今夜このキャンプに泊まるのはうちらとこのグループだけらしい。このドイツ人ガイド、日本語を勉強していたこともあるらしく、「こんにちはーお元気ですかぁー?」と話し掛けてきたのでびっくりした。こんな所で日本語、しかもドイツ人から聞くとは。日本語とアラビア語を勉強していたが、結局日本は留学費用が高いのでアラビア語を選び、エジプトに留学したそうだ。それにしてもなんで日本語とアラビア語なの?と聞いたら、「日本もアラブも僕にとってはとてもエキゾチックで魅力的だから」だそうです。それにしてもアラビア語、超ペラペラでうらやまし〜い!!

 砂丘に座って夕日を堪能した後、イタリア人グループと一緒に砂丘ドライブをすることに。急な斜面を猛スピードで登ったり降りたりでこれまたジェットコースター!!スリル満点で、絶叫マシーン好きにはたまらないです。

↑この斜面を一気に急降下!あり得な〜い!!!



↑ドライバーのFさん。

 夕食は屋外のレストランでビュッフェ形式。ケバブ、ダール(豆)カレー、ホンモス(ひよこ豆のペースト)などアラブ料理とインド料理がミックスした感じ。味はとっても美味しい♪ところでここオマーンは、インド、パキスタン人がかなり多い。彼らにとってオマーンはアラビア海を挟んですぐ近くにあるし、賃金も良いのだろう。このキャンプの従業員にもインド人がいた。

 宿泊する部屋はそれぞれ小さな小屋になっている。外側はナツメヤシの葉で囲まれているが、中は白壁で、ちゃんとベッドもある。しかし、お湯が出ない(;_;)。蛇口はちゃんと赤と青に分かれているのに、、、!「お湯が出ないよ〜」と文句を言ったら、ヒーターがないという。夏場は昼間暑いので水が温まり、夜にお湯として出てくるが、冬は仕方ないという、、、(-_-)あーちべたかった。自然との闘いだ!

 夕食を終えた私たちは、砂漠を散歩することに。ちょうど満月で、月がとても明るい。とても静かで穏やかな気持ちになる。2人で寝転がって空を仰いでみる。夜の砂はひんやりしている。あいにく雲が出ていたが、雲の合間から見える星や月は、くっきりと見える。そして月明かりに照らされた砂丘がとても幻想的だった。

 これで私の夢がまた1つ叶った。よかったよかった。
 ここで我らの一句、

砂漠にて 地球の広さを 感じつつ 未来を思う 師走かな 

 翌朝は5時半に起き、砂漠の日の出を見に行った。裸足で歩いたら、砂が雪みたいに冷たかった。砂丘を登るのがかなりきつかったけど、朝日は格別だった。ちなみに日の出は6時半だった。


↑幻想的な砂漠の朝日。

 Fさんがうちらがいないのに気付いて車で迎えに来てくれた。優しいぃ!ついでにまた砂丘ドライブをしてくれたのだが、とうとうタイヤが砂にハマってしまった!!「これよこれ、これがやってみたかったのよ♪」とはしゃいでいたのも束の間、本当に動けない。みんなでタイヤの周りの砂をかきだしてみるものの効果なし。結局私が歩いてキャンプまで助けを呼びに行くことに。キャンプの従業員がスコップを持って助けに行き、男3人がかりでやっと脱出。勉強になりました。


↑ハマッた車と助けに行くインド人従業員。

 朝食を済ませて、最後にお約束のCAMEL RIDE。1オマーンリヤル(約300円)でキャンプの中をぐるりと回ってくれる。正味約5分。こうして私たちは、すっかりと砂漠を満喫したのでありました。他にもサンドスキーやサンドボード、バギーなど色々な遊びが出来るそうです。ここのキャンプ、ごはんがおいしくて食べ放題(ビュッフェ)だし、従業員も親切だし、大満足★絶対また来るゾ〜!!



↑ラクダに乗る私。また来るからね〜♪



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