パキスタンの家族

 私がお世話になった家庭は、ママのハミダ(45歳・主婦)、 長男のターリク(25歳・タイヤショップ経営)、長女のソフィア(22歳・家事手伝い)、次男のハーリド(20歳・タイヤショップ勤務)、 次女のソビア(9歳・小学生)、三男のファスィル(4歳)の6人暮らし。お父さんは日本で働いているそうな。
ターリクとハーリドがタイヤショップで働いて生活費を稼いでいる。



タイヤショップで働くターリク(上)とハーリド(下)。ちっちゃいのがファスィル。

 パキスタン人みんながそうかどうかはわからないけど、ここの家のしつけはスゴイ。 小さい子がいたずらするとビシバシたたく。 ソビアとファスィルが兄弟げんかするとママが一人づつ壮絶なおしりペンペンをする。 ペンペンどころではなく、バシーン!である。最初はびっくりしたけど、たたかれた方の子もすぐに泣きやんでめげずにまたいろんないたずらをする。 こうしてたくましい子に育っていくのだろうか。

 ママのハミダはそんなスパルタ一家の長。 口数は少なくてはじめはコワイ人なのかな? と思っていたけどホントはすごくやさしい人だった。 一緒に市場に買い物に行ったときは、お土産のバングル(腕輪)やスカーフを私が納得いくまで一緒に選んでくれた。 いつも私の事を気にしていてくれて、私がおなかをこわしたときは漢方薬のようなものをくれたり、 不思議なマッサージ療法(結構イタイ)をしたりと手を尽くしてくれた。
 ママはウルドゥー語しか話さないので、何か言っているときはソフィアに訳してもらったが、いつも「ハーリドと結婚してうちの子になりなさい。」 みたいなことを言っているそうだった。


右からソビア、ママ、わたくし。

 
長女のソフィアは女の子で年が近いのでいろんなことを話した。 恋愛や結婚のこと、勉強のこと、イスラムのこと。イスラム教徒の女性と話ができるのも今回のステイの大事な部分。 ソフィアはまだ結婚していないのでいわゆる家事手伝いをしているが、 自分なりにいろいろ勉強をしているみたいだった。週に何度かコーランを読む集会みたいなのがあって、非イスラム教徒のわたしも一度連れていってくれた。
 それからびっくりしたのは、パキスタンの女性は、自分の着る服は大抵自分で作るということだった。 私と同じ年か、年下の子もみんな自分で作った服をきていた。ここでも私は大きな文化の違いを知った。 日本も昔はそうだったかもしれないが、今自分で服を手作りする女の子は少ないだろう。 服はいわゆるパキスタンドレスといって、ワンピースとゆったりとしたズボンの上下セットである。 もちろん既成の服や、オーダーメイドもある。 ソフィアも、結婚式に着ていくパキスタンドレスはオーダーメイドしていた。 私もホームステイの間にソフィアに1着作ってもらった。 一緒に市場に行って好きな柄の布を買い、それをソフィアが縫って作ってくれた。 すごくカワイイし、着心地もいい。これは一生大事にしたい。


一番右がソフィアちゃん。

 次女のソビアはまだ小学生だけどすっごく美人。初めて会ったときは思わずみとれてしまった。
これぞ東洋の傑作!でも中身はやっぱり小学生。 おちゃめでいたずらっ子、おまけに弟のファスィルをしょっちゅういじめていた。 一方では習いたての英語で一生懸命私と話をしようとしたり、 一緒に遊んでーとねだったりとてもかわいらしい一面もあった。 最後のお別れのときにはいつも肌身はなさずつけていたお気に入りのネックレスを「ギフト、ギフト」と言いながら私に付けてくれた姿が忘れられない。


日本にもって帰りたいくらいかわいいソビア

 一番下のファスィルは超ウルトラ悪ガキだった。おとなしくしていればすごくかわいい顔してるのに、 物は壊すわ、何でも欲しがるわ、声はでかいわでいつも大騒ぎしていた。
 私は日本から「きのこの山」をもってきていたのでみんなで食べようと取り出したらとっさにファスィル が飛びついてきてソビアと大喧嘩。 それを見かねたソフィアがファスィルにいくつか渡して冷蔵庫にしまうと、まだ欲しいらしくて大騒ぎ。みんなでトランプでもしようもんならまだ4歳でルールを理解できないファスィルはなんとかゲームを妨害しようとカードをかくしたりメチャメチャにしてしまったりする。 そこで下るママやお兄様がたの天誅にもめげずに次々といたずらを繰り広げられるというのは、ある意味才能かもしれない。
 しまいには私までファスィルにおしりペンペンをしていた。



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