スターウォーズの町、マトマタ! 

 マトマタは、チュニジアの南部にある小さな町で、チュニスから電車で6時間+バスで1時間かかる。この町はベルベル人が昔ながらの穴居住宅で生活していることで有名。穴居住宅とは、地面に大きな穴を掘り、中庭を中心に横にいくつかの部屋を掘って作られた住居のこと。部屋の壁は白く塗られている。そしてなんと、あのスターウォーズのロケに使われたのでぃす!!!ということは、さぞかし摩訶不思議な
光景に違いないと思い、短い旅程の中に無理矢理マトマタをに組み込んだわけであった。

 ガベスからマトマタに向かうバスは、小さなバスで地元民ばかりのようだった。昼過ぎのせいか、学校帰りの子供たちが乗っていて、私たちを興味津々な目で見ていた。いきなりカナのほっぺにサソリのおもちゃを押し付けてきて驚かそうとする子もいた。

 
最初は平坦な道をまっすぐ走っていたが、マトマタに近づくにつれてだんだん山っぽくなってきた。マトマタに到着し、バスを降りてガイドブックの地図を見ても方向が全く分からない。目印になるような建物も少ないのだ。とりあえずその辺のおじさんにツーリストインフォメーションの場所だけ聞いて、しばらく歩くと小さな小屋がぽつんと建っている。ツーリストインフォメーションだ。
 ツーリストインフォメーションでは女の人が何人かソファーに座っていた。「マトマタの地図ありますか?」と聞くと、「この町はとーっても小さいから地図なんてないわ。」という。いくら小さくても旅行者には右も左も分かりません!!!ここにある資料といえば、壁に書いてあるホテル表だった。ここでは是非穴居住宅を利用したホテルに泊まりたかったので、ホテルマルハラに向かうことにした。スターウォーズのロケが行われたシディドリスというホテルもあるのだが、そこはドミトリータイプなので、そこでは夕食だけとることになっていた。

 言われたとおりの方向にしばらく歩いていくと、「ホテルマルハラ」という小さい看板が立っていた。入り口はただの穴って感じで、入り口の前では陶器などがずらりと並べられたおみやげやさんがあった。人気がなく、1個取ってもわからなそうなくらいだった。中に入っていくと受付があるのだがこれまた誰もいないし真っ暗!「すいませーん!」と叫ぶと、奥から無愛想なおじさんが出てきた。「2人部屋あいてますか?」と言うと、黙ってうなずき、名前などを書く紙を渡された。それを書き終わると、おじさんはぼそっと「14番。」と言った。「鍵は?」「部屋にある。」ということで洞窟の奥に向かった。

←ホテルマルハラ入り口にて。


←レセプション。


 トンネルを抜けると明るい中庭に出た。丸い中庭を囲むようにいくつかの木の扉があり、そこに手書きで番号がふってある。「アリババと40人の盗賊」で、モルギアナが×を書いていったシーンを彷彿とさせた。ドアはかがまなければ通れないほど小さい。しかも鍵といったら南京錠で、外側からしかかけることが出来ないのだ!しかも14番の部屋はかなり狭かった。他に客がいなそうなのに、もっと広い部屋ないのかな?と思い、再びレセプションへ。今度は違うおじさんがいた。今度は陽気なおじさんで、「もっと広い部屋ありませんか?」と聞くと、「おー君はアラビア語が話せるのか!チュニジアへようこそ!広い部屋?あるよあるよー!」と超ノリノリで広い部屋に通してくれた。天井が丸くてかわいらしい部屋だったので今度は大満足。さっきのおじさんますますポイントダウン!


←中庭。木の扉がカワイイ。

 
部屋で一休みしたあと、マトマタ散策へ。まずは丘の上にあるビューポイントに向かった。岩がごつごつした丘を登ると、壮大な岩山の風景と、穴居住宅の集落が見渡せた。穴居住宅は上から見るとただの丸い穴で、クレーターのようにも見え、とても家とは思えない。そもそもこのような住宅が身を守るために作られたというのも納得がいく


ビューポイントからのマトマタの眺め。穴居住宅の丸い穴、分かります?

 そして日も暮れ、いよいよスターウォーズのロケが行われたシディドリスでの夕食!中に入ると、早速白い壁に「STAR WARS」の文字が!そして、ロケのセットの残骸みたいなのがちょこちょこ残ってる。各部屋の入り口も形がきれいに整えられ、宇宙っぽい縁取りがされている。まるで違う星に来てしまったかのような気分。そしてありましたよ、ハンソロ(ハリソンフォード)登場シーンのBARがー!でもBARの中は映画で見たのよりかなり小さい(笑)。スターウォーズ関連の雑誌や写真などが閲覧用に置いてあった。雰囲気はいい感じ。ルークの食事シーンを撮影した部屋もちゃんとあった。

←ホテルシディドリス入り口。ハリソンもここを通ったのかしら♪

←壁にこんなものが!!キャーキャー!

←何やら宇宙的。ルークはどこ?!

 
夕食は、メニューがなく勝手にブリック(チュニジア風揚げギョウザ)とクスクスが運ばれてきた。味はかなり美味だし、ボリュームも充分♪チュニスで食べたクスクスよりおいしい。デザートに激甘アラブケーキが出てきた。値段はひとり9ディナール(\800)とチュニジアにしてはやや高めかな?と思ったけど、美味しかったし雰囲気が良かったからいいっか。でも事前にちゃんと値段を聞いた方がよいね。うんうん。

←BAR入り口。

←BARカウンターにて。

←むむ、天井に不思議な文様が、、、確か映画でも見たぞ!

 おなかを満たした私たちはホテルに戻った。町の明かりが少なく、道が真っ暗だった。部屋に戻ってまずシャワーを浴びることに。シャワーとトイレは共同なので外に出てまたトンネルをくぐって行く。そこでハプニングが!シャワールームは2つあるのに、両方ドアが閉まらない!仕方なく1人ずつ交替で入って1人は見張りに。先に私が入ることになったのだが、なんと今度はお湯が出ない!苦情を言いに行きたくても見張りがいなくなったら困るので結局水シャワーを浴びることに。まぁ夏だったから良かったけど…。おかげで湯上り(水上り?)さっぱりさ。

 部屋は内鍵がかからないので、私たちのバッグをふたつ重ねてドアの前に置いた。誰かが入って来ようものなら大きな音がたつようにしたのである。鍵はかからないし、シャワーは水だったけど、それでもこのホテルは私たちのお気に入りになった。あまりにも非現実的で静かな空間がそこにはあった。マトマタの夜は本当に静かだった。ほら穴部屋は白い壁に電球がひとつ灯って何とも幻想的だった。私たちは夢のような気分に浸りながら深い眠りに落ちていったのであった。

 ちなみにこのホテルマルハラ、1泊朝食付きでツイン1部屋22ディナール(¥2000くらい)だった。朝食はパンとカフェオレというシンプルなものであったが、なかなか美味だった。2食付きプランもあるらしい。







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